2015年9月より、慶應義塾大学理工学部への寄付講座「貢献工学」が開講しました。
9月30日のオリエンテーションに続き、10月7日に開催された第一回目の講義では「貢献工学(減災学)創造への期待 ~災害に強くしなやかな社会づくりのために~」と題して弊社社長・冨田洋が講演しました。
出席した130名の理工学部の学生の皆さんは終始熱心にメモを取るなど、満員の教室は大変熱気にあふれていました。講演終了後も活発な質疑が交わされ、参加した学生の皆さんからは以下の様な感想や意見(抜粋)もいただきました。多くの学生の心に大きく響いた講義になりました。
・大学での座学のように、学問をひたすら修めるという考えから、日本という国の特性を考慮して、現実を見てそれに合うように技術を発達させたり、学問を切りひらいていく必要があると思います。貢献工学の考え方を学んだことにより、利益・不利益という視点をこえて、支援が必要な人々や困っている人々を助けたいから自分の持っている技術力を使用する、または発達させていくということの重要性がわかりました。「他人に貢献することは本能である」というのは、エンジニアの最も大切にしなければいけないことであると思いました。
・この授業を聞いて、自分から積極的に行動をおこしていくことの大切さを知った。より災害に強く、しなやかな町づくりのためには、まず貢献工学(減災学)という分野や冨田さんらが行っている事業をより多くの人に知ってもらうことが必要であると思う。理工学を学んでいる私たち学生でさえ、その分野を知らなかった人が多いと思うので、一般市民は尚更知らない人が多いのではないだろうか。
またそれを日本国内だけでなく世界に発信することがこれからは必要である。知らないことは一番危険なことであるので、自分の命に関わっているということを自覚し、自分から情報を求めていくことが大切であると感じた。
・災害はいつ起きてもおかしくない状況であるので、それを理解し、どうすれば被害を減らせるのか自分で考えて行動していきたい。次に理解した上でそういった危険を回避するためには、ある程度知識を持った人、例えばここの教室にいるような人々が知恵を出し合うことが必要であると思う。
冨田さんがおっしゃっているように、人との考えの違いを認め合うことで新たなアイディアが生まれると思うので、これから研究室に配属されて自分が研究を行うことになったら、むしろ今から相手の意見を素直に受入れられるようになりたい。
・今日の講義で印象的だったのが、企業としてひたすら利益を追求しているのではなく、社会に貢献する技術を開発することで、結果として利益が出るビジネスモデルを確立していることだ。企業はボランティアではないので、必ず利益を出さなければならないが、その制約のなかでここまで大きく社会に貢献していることがとてもすごいことだと感じた。
・私は、人間の本能である“人を助け合う気持ち”というものを信じ、それに素直に従いたいと思っている。統計によって、まだ見ぬ危険性を数字で指し示すことによって、人々にしっかりとその事実を伝える。そして、最終的には、それを基にして、自分がその状況を打開するような策を実施していきたいと考えている。
本日のお話を聞いていて、世の中に貢献することの素晴らしさについて強く感じることができました。自分の行っている事に対して、義務感であったり、責任感を感じるよりも、自らが好きでやっているのだ、本能でやっているのだ、と思うことで、より自分の可能性を広げることができるのではないかと、今日、改めて思いました。