平成30年2月9日(金)、慶應義塾湘南藤沢高等部「福澤先生記念講演会」が慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)Θシータ館にて開催され、4・5年生(高校1・2年生)約500名を対象に、当社代表の冨田洋が講師として登壇しました。
「命と暮らしを守る減災学(GENSAI)のススメ」~災害に強くしなやかな社会づくりのために~と題し、当社の事業活動やスケルカ技術、3DインフラMAPなどの最先端テクノロジーを紹介しながら、「本能としての貢献心」「心のレジリエンス力」「倫理観」などの重要性について講演しました。
「独立自尊」「自我作古」「社中協力」「実学」などの福澤諭吉翁の教えと相まって、現代社会のあり方を改めて考え、さらに将来の進路や未来の自分を思い描くヒントやきっかけにもなったのではないでしょうか。
生徒の皆さんからいただいた主な感想は、以下の通りです。抜粋してご紹介します。
・日本では数十年以内、近ければ数年以内にも大規模な地震が東海・関東を中心に発生し、それは阪神淡路大震災や関東大震災に匹敵するとも言われている。地震大国と呼ばれている日本に住む自分達だからこそ「減災」について少しでも理解することができた今回のような機会は、非常に大切なものだと感じた。冨田さんは慶應義塾の教えや精神に則ったうえで会社を設立し技術を開発して「減災」という分野を確立させていた。幾度無くあったであろう困難を乗り越え、まっすぐに自分の道を進んできた中には、常に災害に強くしなやかな社会づくりという明確な目標があり、それを支えるレジリエンス力が備わっていたのだろう。今後自分が何かの分野を突き進もうと決め、心の底からやりたい事を見つけられたとき、今回学んだような心の持ち方でまっすぐに進んで行こうと思う。
・今回、初めて「減災」という言葉を知りました。自然災害を無くすことは出来ないので、その被害を少なくするという考え方はとても新鮮であり、とても素晴らしいものなのだという思いが話を聞くうちに強くなりました。また、特に印象に残っているのは、「人間は一人では生きることが出来ない」ということです。私たちは生まれたときから様々な人とつながっていて、周りのものや人に感謝しながら生きていくことが重要であり、その思いが“本能の貢献心”を生み出すのではないかと思いました。一つの技術を極めることによって、様々な分野とつながることも出来るのだと感じたので、自分の生活で学べる事をしっかりと学び、自分の未来に生かしていきたいです。そして自分が時代の先駆者になれるようにしたいと思いました。
・私は、もともと減災について興味がありました。私の将来の夢の中心となっているものは、地震や災害が起きたときに人の役に立つことです。今日の講演を聞いて技術系でのアプローチもあるのかと思いました。今自分にできる事は災害について正しい知識を持つことだと思い、これからも勉強していこうと背中を押された気持ちです。私は課外活動で自然と関わることをしていますが、常に自然は怖いという気持ちで臨んでいて、それは減災学にもつながるのではないかと思いました。いつか災害があったときに力になれるような知識をつけ、仕事をしていきたいと思っていますので、今日のお話しを聞けて良かったです。「災害は必ず来るからどう被害を減らすか」、これを頭に入れていきたいと思います。
・“ピンチをチャンスに”今までその言葉をきいてもイマイチピンとこないことが多かったのですが、冨田さんのお話を聞いて、問題発生時は自分が試されている時であって、言わば進化できる契機なのだと強く思えるようになりました。また、その様なピンチの時に慶應義塾のポリシーである「独立自尊」「自我作古」「実学」といったことが生きてくるのだと思います。また、特に減災という観点が自分の目には新鮮に映りました。先を見据えて動く、大事なポイントを見極める、減災の対策はもちろん、心構えの面でも自分に備えるべき点があるなと改めて思いました。
・様々な困難、問題に直面しても諦めるのではなく、更なる発展を目指し、ピンチをチャンスに変えて解決する姿勢の大切さを学びました。また、その過程で様々な人と関わり協力することで、難しいと思われることも成し遂げられると学びました。特に印象に残ったのは、スケルカなどの独自の技術とスピーディーな実行力で多くの人々を救い、社会に貢献する取り組みの数々です。私も将来、減災や社会に貢献できる人間になりたいと思いました。最後に「人の命を守る」ことが中心にあり、そのためのアプローチは医療だけでなく、様々な分野にあるという話を聞いて、自分も自分に合った得意分野で貢献できると勇気が出ました。
・今日の講演で学んだことが2つある。1つ目は、使命感ではなく自らのやりたい事をすることである。冨田さんは何度も問題にぶつかり、精神的にも参ることがあったと思う。それでもあきらめず、問題を乗り越えてきたのは、冨田さんが自分のやりたい事をやっていたからである。2つ目は、人は助け合わなければならない、ということである。冨田さんは問題にぶつかった際に友人や知人に助けてもらいながら乗り越えてきた。人と助け合うことで、一人ではできないこともできるのである。悩みや困ったことがあったら、一人で悩まずに友達に相談し、また友達が困っていたら自分が助けてあげられるようにしたい。今日学んだこの2つのことをこれからの生活に活かしていきたいと思った。
・起こった問題に打ちのめされるだけではなく、そこから必ず何かを得て新しいことにつなげていく姿勢は、今の自分に欠けているところだと強く実感し、大変勉強になりました。また、人との出会いを待つのではなく、自ら人に声をかけてチャンスにつなげることは勇気がいることで、とても真似できないとも思いましたが、お話を伺う内に、自分も挑戦してみようと思うことができました。筋を通すということの大切さも感じることが出来ました。正しい事をしていれば良い事が良い人に巡ってくるのだなと思いました。
・今日の講演を聞いて、「誰かに貢献する」という目的を持って行動ができる人になりたいと思いました。自分が勉強しているのは、点数や単位などの奥行きの無い目的ではなく、大学に進学して何を学びたいか、社会に出て自分がどの様なやり方で貢献できるのか、を見つけるような先を見通した目的を持つことができれば、勉強の価値や意味も変わってくるのではないかと思います。また、これから会う人たちとのつながりを大切にし、避けられない震災で助け合うことが出来れば、人間関係にも深みが出ると思いました。まだ、自分中心な考え方で生活しているので、これからはもっと周りで起きていることに目を向け、様々な情報を得ることで多くの発見が出来るのではないかと思いました。大学受験がない分、将来のこと、社会のことをもっと考えた生活が出来ればと思います。
・今日の講演で最も印象に残ったのは、レジリエンスの大切さです。自分が人生の壁にぶつかり心が折れそうになっても、そのピンチをチャンスへ変え、より高く次へとつなげていくということです。また、あきらめずに挑戦し続けていれば、いつか必ず夢がかなう日が来るということが分かりました。私も自分の将来をしっかり見据え、強く高い目標を持って日々を全力で過ごし、自分の人生を楽しみ、やりたい事をやるための基礎を築いていくために、慶應義塾という学びの場を全力で活用して未来を切り開いていきたいと思いました。
・今日の福澤講演会を聞いて、問題解決への挑戦の貪欲さや社会に貢献する気持ちの大切さを学んだ。その発想力の高さや人脈(社中協力)の重要さに深く感銘を受けた。また、地雷撤去の技術が震災による道路陥没防止につながり、無電柱化にもつながっていることに驚いた。災害大国の日本で減災への取り組みの必要性を再認識した。そして即座の判断力の高さは、常に学び続ける精神の賜物であるのだと感じた。形が違うにしても、社会や人に貢献できる人になりたいと思った。
以上